格差をなくす
取材で出会った、県南部の山里に一人で住む 86 歳の女性。夫に先立たれ、3人の娘は結婚で家を出た。周りに住む人はいない、まさに「ポツンと一軒家」。買い物や診察などは近くの町へ。「近く」とは言え、最寄りのバス停までは山道を歩いて 20 分。さらに 10 分ほどバスに揺られた場所にある。本人は「一人の方が気楽でええわ。元気やし」と笑う。でも、急病やケガをしても病院は遠い。大地震や豪雨に遭っても、周りに助けてくれる人はいない。
「南北格差」といわれる、県内の地域間格差。産業、医療、保育、教育、介護、普段の買い物…様々な面で、県北部と南部との差があります。私はテレビ局での仕事を通して、このような格差を目の当たりにしてきました。
さらに、貧富の差の拡大。2012 年の政権交代から、年収 1000 万円を超える「富裕層」が増えた一方で、200 万円以下の層も増加。これまで中間層といわれたひとたちの暮らしも厳しくなってきています。
住んでいる場所や、就いている職業、性別や性的指向の違い、障がいの有無、親が2人か1人かいないかなど、境遇による格差が生じないよう、ぼうのは取り組みを進めていきます。
南北格差をはじめ、医療・福祉・教育・子育てなど、あらゆる格差をなくします。
生きていく上で欠かせない基本的なサービスを無償で提供する仕組みをつくります。
小規模企業を多く誘致し、人口増や遊休地、空き家の活用につなげます。
住む場所を問わず診療や教育を受けたり、仕事ができたりするよう、情報通信技術の活用を進めます。
集落営農や特産品のブランド化、販路拡大の支援を進め、地域の農林水産業を守ります。
不安を減らす
知人のお父様が、新型コロナで亡くなりました。実家は首都圏。親戚もみんな関東のため動くのが難しく、三重に住む知人夫婦が葬儀などを仕切ったそうです。悲しみとともに、コロナへの恐怖と不安が胸を離れない、と話します。
一方、県内の繁華街や観光地を取材すると「開けとっても客が来やへん」「大半の旅館は開店休業」との声ばかり。廃業に追い込まれた旧知の店もあります。
感染そのものへの不安と、感染拡大による仕事や生活の不安が、重なります。
災害もそう。1995 年に発生した阪神・淡路大震災。テレビは、崩れたビルや民家、炎に包まれる町などを映し出しました。 その中で、今もはっきり覚えている映像が2つ。
ひとつは、体育館の中でぎゅうぎゅう詰めになる避難者たちの姿。もうひとつは、「お金、みな焼けてもた」「働いたらすぐ貯まる」という、おばあさんどうしの会話。
2つのシーンには共通点があります。「生き延びた後の生活の不安」です。プライベートもないような避難所での暮らしをいつまで強いられるのか。お金を貯めたくても、災害前のように仕事ができるのか。そもそも収入を得る手段はあるのか…。 命の不安だけでなく、災害後の生活の不安。
こういった不安を少しでも減らすため、ぼうのは提案していきます。
「検査」「隔離」「治療」で感染拡大を抑え込み、自粛要請の間は事業・雇用・暮らしを手厚い補償などで支えます。
収束後、従来の事業や暮らしが出来るよう、「リスタート資金」給付を提案します。
保育や介護に携わるひとの待遇改善と地位向上を図り、担い手不足を解消します。
世帯別避難所の設置を推進するとともに、生活力を身に着ける防災教育を導入します。
性別や性的指向に関わらず雇用の機会を確保するとともに、ハラスメント根絶を目指します。
平和を守る
私の父はなんでもよく食べる人でしたが、芋だけは嫌いでした。戦時中の 1940 年に生まれ、戦後の貧しさの中で幼少期を過ごした父。コメや肉など手に入らず、少しのサツマイモで空腹をしのいでいたそうです。「何でもあるのに芋なんか食わんでもええ」 とよく言っていました。当時のひもじさを思い出すのが嫌だったのでしょう。 戦時中の 1944 年 12 月 7 日に発生した、昭和東南海地震。甚大な被害をもたらしながら、大きく報じられることはありませんでし た。軍需工場の被害などが敵国に漏れることを恐れた軍部によって、情報が統制されたそうです。 戦争は、戦地に赴いたひとたちや空襲に遭った多くのひとたちの命、財産だけでなく、何気ない日常の暮らし、そして言論や報道の自由も奪ったのです。 1972 年に生まれた私は戦争を知りません。しかし、父の芋嫌いや、取材などで出会った体験者の話を聞くにつれ、「戦争は絶対に起こしてはならない」という思いを強めています。
集団的自衛権を使えるようにした憲法解釈を再変更し、新たな安全保障のあり方を模索します。
特定秘密保護法を見直し、プライバシーを守るとともに表現・報道の自由を保障します。
神宮や紀州鉱山などを平和教育の拠点とし、校外授業や実地研修を誘致します。
「戦争は勝っても負けても悲惨」と説いた尾崎咢堂の意思を受け継ぎ、平和主義を全うします。